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管理部門代行業者があります。彼らのセールスフレーズは「社長は本業に集中しましょう」です。
企業に本業があることはわかります。本業は定款に定められています。
それ以外は副業です。以前より疑問に思っていたのですが、企業の本業と社長の本業は同じでしょうか。といえば実は違います。
そこで、創業する場合を例に考えてみましょう。
創業社長は、何かしらの営業能力がある、何かしらの製造する能力がある、何かしらの開発する能力があるのうち少なくとも1つは満たしてしています。
法務を任せて、財務経理回りは完璧だという人が起業するとは想定できません。
このようなジャンルが得意で操業するのは士業であって、断じて企業家ではありません。
前回において経営の機能を3つに分解して検討しましたが、CEOとCOOは業務が毎日ありますし、内部で養成できますが、CFOはそうはいきません。
創業時に一人で何でもやってきた社長は規模が大きくなるにつれて組織を意識するとともに、マネジメントチーム、つまりはCOOとCFOを分離させる必要があります。
COOは社内で育成しやすいのに対して、CFOは社内で育成しにくいという特性があります。
これに加えて、規模が小さい企業においてはCFOに毎日仕事があるわけではないという特性があります。
とはいえ、社長の本業はCEOの機能とCOOの機能とCFOの機能を合わせたものです。
しかし、CFOの領域が弱い社長は多いのも事実です。
先にも述べた通りCFO業務が得意で操業に至ることはめったにないからです。
更に毎日仕事があるわけではないないことがCFO領域は経営者の本質ではないととらえることが多いようです。
ところで、企業は「ヒト・モノ・カネ・情報」を活用して付加価値を生み出すことが求められる組織です。
CFOの主任務は「ヒト・モノ・カネ・情報」を調達することです。
従ってCFOの領域が社長の仕事ではないとは言えませんが、苦手なことをあえてする必要がないのも経営者の真実です。
そこで分業を正当化する必要があります。経済学的には「比較優位説」で説明することができますが、早い話「分業すれば生産性が上が」ります。
CFO領域は苦手な方が多い、CFOは専門的すぎる、社内で養成が困難である、CFO領域はコストセンターである、ということから考えてアウトソーシングすることは理にかなっています。
が、社長の本業の一部であるという認識は必要です。認識したうえでアウトソースする頃が重要です。
では、CFO業務に属するものとして何をアウトソースするのかとなりますが、これは「人・物・カネ・情報」を社会から取り入れることと社会へ帰すことに属すること、社内を循環させることにかかわる業務を抽出してアウトソースすることになります。
念のため、社長の本業は企業を発展させるために、人・物・カネ・情報を最大限活用することにあります。CEOから見れば、自分が行う業務以外はすべてアウトソーシングですからCOOにさせることもアウトソーシングです。企業のアウトソースで一番難しいのはこの経営チームを編成することです。
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