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日本政策金融公庫国民生活事業で開業資金を借りようとする場合、商品案内によれば『、「新規開業資金(新企業育成貸付)」などのご融資を通じて、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方のお手伝いをさせていただいております。くわしくは、支店の窓口までお問い合わせください。』とあります。これを読む限り、借入上限は7,200万円(うち運転資金4,800万円)と読めますが、実際はどうでしょうか。
日本政策金融公庫が作成している「創業の手引き」には10個のチェック項目が記載されていますが、うち6個は「事業計画を作成する」ことに収斂させることが出来ます。従って、「創業の手引」きによると要件は経歴、自己資金、事業計画の3つとなります。このうち重要になるのは経歴と自己資金です。事業計画が一番ではないのかと思われるかもしれませんが、事業計画について説得力を持たせるのは経歴と自己資金になります。事業融資を受ける際に作成する事業計画に求めるのは「実現可能性が高いかどうか」であって、大風呂敷を広げることではありません。が、事業計画は大風呂敷を広げる方が多いような気がします。が、求められるのはあくまで「実行可能性の高い合理的な計画」です。
「合理的な計画」を支えるために必要となるのがご自身の経歴と自己資金なのですから経歴と自己資金が重要となります。経歴と自己資金は過去の積み重ねの話ですから、これから修正を加えることはできません。古に曰く「過去と他人は変えられない」のです。「新規開業資金」で求められる経歴の例です。
1.現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(1)現在お勤めの企業に継続して6年以上お勤めの方。
(2)現在お勤めの企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
2.大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
他にあと8種類あります。すべての創業案件で「新規開業資金」が使えることはありませんが参考になります。
ただ、過去を変えることはできませんが、見せ方を変えることはできます。私自身は蕎麦が好物ですが、このようなことを知らずにいくらかを借入で蕎麦屋を開業しようとすると、上記の要件を満たそうと思えば大阪万博が終わったのちです。 脱サラで蕎麦屋を開業しようとすると当然修行が必要となりますが、どこでどのようにして修行するかを説明する必要があります。蕎麦打ちの修行に必要な年月を私は知りませんが一人前になるのに合理的な年数が存在します。その合理的な年数を回答する必要があります。また、経歴要件で重要になるのは「業種」であり「職種」の継続性となりますので、開業を検討するのであれば頭に置いていただければ嬉しいです。「麺類」だからといって2年のパスタ専門店と2年のラーメン屋と2年の蕎麦屋で大丈夫かといわれると難しいとは思います。ただ、一般論を展開することが出来ないのが経歴要件の難しいところです。
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