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開業時自己資金の決め方(5) 創業計画の扱い

 創業時自己資金を決めるのに事業計画は必要ではないのかという疑問が出るかと思いますが事業計画そのものは要件とは言い切れません。言い換えるならば、事業計画がないからといって資金調達ができないとは言い切れないのです。事業計画が必要であると言い切れない理由は「人的ないしは物的担保の提供がなされると資金調達が可能である」からです。現在でこそ土地神話などなかったのですが、社会に土地バブルなるものがあったころまでは金融機関は担保主義といわれており、事業目利きができないといわれておりました。現在でもその頃の名残があるわで、「担保提供があれば資金調達ができる」ということになりますし、担保でフルカバーされる場合は安心して信用供与される、言い換えるならば借入を起こすことが出来ます。とはいえ、現在では事業施資金を調達する際には「事業を評価して貸し出しを行うように」とする方針が出ているので可能な限り事業計画で貸そうとする金融機関の動きがないわけではないのです。

 そこで金融機関が事業で信用供与を行う際には事業計画を必要とします。つまりは将来の収益性に基づいて資金貸し出しを行いなさいということですから、その将来について示した唯一の資料は事業計画となるためです。今まで述べた経歴と自己資金はあくまで過去の結果にすぎません。経歴要件は自身がこれから進もうとする事業を遂行するために最低限の判断力があることを示すための根拠を提供するものですし、自己資金要件はこれから進もうとする事業の展開を踏まえて計画的に活動をすることが出来るとする能力を示すにすぎません。経歴要件と自己資金要件はいずれも過去の話です。担保にしても過去の話です。

 創業時自己資金を決定する要素は「黒字転換するまでしのげるまでの現金残高をいかにして確保するか」に収斂されますが、この値をはじき出すのには過去の実績だけではなく将来の見通しから導かれる資金出納の様子でありそのベースが事業計画です。将来の見通しこそが事業計画となりますが、金融機関によって事業計画に求められる数字の勢いは異なりますが根拠は同じということが面白いところです。また、どのような金融機関であっても「実現可能性が高い」事業計画を求めます。希望的観測によって導かれる事業計画を求めることはありません。例えば、急成長が3年続くような計画はよほどのことがない限り実現性は低いと判断します。だからといってよほどのことがないとは言い切れないことが創業時の大きな特徴でもあります。よほどのことが起きやすい業種とその頻度がどの程度かあるいは起こしやすい経営者の特徴のみ破り方ということがノウハウになります。

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