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開業時自己資本の決め方(4) 創業融資借入要件-自己資金要件

日本政策金融公庫国民生活事業で開業資金を借りようとする場合、商品案内によれば『、「新規開業資金(新企業育成貸付)」などのご融資を通じて、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方のお手伝いをさせていただいております。くわしくは、支店の窓口までお問い合わせください。』とあります。これを読む限り、借入上限は7,200万円(うち運転資金4,800万円)と読めますが、実際はどうでしょうか。「新規開業資金」では対応できないと判断された場合利用することになる「普通融資」の場合は借入上限4,800万円ですがどうでしょうか。

借入上限額は「新創業融資制度」の制度上「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方」可能とはなっておりますが、日本政策金融公庫のホームページでは「国民生活事業は、個人企業や小規模企業向けの小口資金をご融資しており、ご融資額の平均は約700万円です」とあるので、現実にはそんなに高い額の融資はないということになります。「自己資金の10倍」までとする基準が存在しますが、これは経歴要件から従来の「自己資金2倍まで」では不具合のあった方がいたということでしょう。ですが、ここでも「経歴要件」が顔を出します。

では自己資金は何かですが、自己資金は借入時点で銀行座に眠っている預金またはタンスにある現金を指します。あとは、その預金をどのように集めたかとなります。ただ、1円起業ができるからといって1円で実際に起業するとここで邪魔をすることになります。1円で起業した場合は自己資本の10倍で10円ですか。このような考え方はあるかもしれません。では、自己資金をいくら集める必要があるのかということですが、これは事業計画が決めます。事業計画を裏付けるために経歴と自己資金要件を設定るのに、自己資金を決定するのに事業計画が必要となりますから循環論になりつつありますが、要するに最初に結論を言いますと「最初に入金するタイミングまで支出が見込まれる金額が創業時に必要な資金総額であり、そのうち3分の1以上は自己資金である必要がある」ということになります。なお、借入を起こすのであれば、自己資金の出自は問われるというただそれだけのことです。

自己資金の証明は通常銀行預金残高で示しますので、「資本金」が1億円あるから1億円の現預金があるとは言えません。ある時点では1億円の預金があったことを示すだけです。また自己資金の出自ですが自身の稼ぎを貯めたのは開業予定者に計画性がある、遺産をもらった、宝くじあたったというのはどうでしょうか。まあ、創業のきっかけになるでしょう。では500万円の「領収書」はどうでしょうか。「領収書」は昔現金があったということを証明できます。相手が現金を受け取った証明ですから、現時点で現預金を保有している証明にはなりません。開業時自己資金の決め方は案外慎重になる必要があります。

更に事業計画が自己資金必要額を決定しますが、日本政策金融公庫において調達を試みる場合、ある理由から調達枠の上限は存在します。

調達額=自己資金+政策金融公庫からの借入金≒自己資金額の3倍

が基本形となります。

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