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ロジスティックス雑感

 サプライチェーンという概念が浸透してかなりの期間が過ぎたと思います。サプライチェーンの概念はポーターの価値連鎖分析を参考にしたといわれています。サプライチェーンの寸断に対して企業は対応する必要があります。サプライチェーン寸断対策に対して補助金も出ます。サプライチェーンを取り敢えず物流ととらえます。

物流には許可とは関係なく都市間輸送と都市内輸送に分けることができます。鉄道事業者の区別にもなっています。JRグループが都市間輸送を担い、民営鉄道は都市内輸送を行う、ということをヒントに区分しています。更に、昔は都市間輸送と都市内輸送は異なる免許だったはずです。違っていたらごめんなさい。

ロジスティックスはもともと軍事用語で兵站と訳します。必要なところに必要な資材を効率的に送る諸活動を指します。主役はモノです。物流にはモノを運ぶという意味しかなく、ロジスティックもモノを運ぶという意味しかありません。なお、現時点で物流はハブアンドスポークモデルで考えることがよろしいでしょう。ハブアンドスポークは小口輸送品を集荷し都市間輸送を行い目的地の基地で小口に分離するモデルです。モデルが自転車に似ていることからハブアンドスポークと例えます。

都市間輸送を考えるとまさしくロジスティックスや物流はモノを運ぶイメージがつきますが、都市内輸送になるとそうとは限りません。郵便のようにポストからポストに移動させるのであればモノを運ぶイメージそのままですが、集荷依頼時と配送品受取時に人と接することから人間が介在する都市間輸送では配送員と人の接点が生じます。

次に全国津々浦々にモノを運ぶ能力を持っている配送業者は限られています。更に温度冷凍品など管理が必要な物資を運ぶ能力がある事業者も限られています。津々浦々に物資を運ぶためにはそれなりかどうしないものも含め設備を必要とするからですし、温度管理に至っては設備にプラスして管理能力が必要となるからです。管理についてはAI化できると思いますが、配達困難地域に対する設備についてはAI化やドローンで対応できるとは言い切れません。

温度管理が必要な荷物の代表例は冷凍食品となります。冷凍食品輸送の困難さは温度をマイナス18度以下にする必要があるのですが、これを実現する車載冷凍機やトラックの断熱の仕組、荷物取り出し時の温度管理などの様々な要因があって参入障壁が高いのです。また冷蔵品についても10度以下に保つという温度管理が必要となり、トラックドライバーとは異なる能力が必要です。

以上を踏まえて最初に勤めた会社では一部を除いて全国津々浦々各戸に冷凍品を輸送していたので、冷凍品の配送代行を受けることは不可能かと打診したことがあります。お前は現場、特に各戸配達の現場を知らないからそのようなことが言えると指摘されましたが、通販、特にネット通販の発達に伴い冷凍品の各戸配送や配達員のサービス精神を発揮できたのではないかと、つまり商売のチャンスは特殊な物流にありと考えています。

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